TOEICの点数によって転職は有利になるのか?


TOIECは英語力を測る上で有用か

英語力を測るための基準としてTOEICのスコアが適切であるか否かについては賛否両論あります。

TOEICの試験はリーディングとリスニングのみであり、得点の高低とスピーキング力は比例しません。加えて試験難易度が高くないため、ある程度のリーディング・リスニング能力さえあれば、英語が話せる・話せないに関わらず高得点が取れます。
※TOEICにはスピーキングを測る「TOEIC Speaking&Writing」という試験種類もあります。

そのため、同じ得点圏の受験者間でも、総合的な英語力では大きな差が存在する場合もあります。

また、英語力を測る資格はTOEICだけではありません。TOEFL・英検・IELTSなど様々な試験があり、TOEICよりもよほど難易度の高い試験も数多くあります。

以上のように、TOEICでは受験者の総合的な英語力を”正確に”測ることはできません。しかし、それはTOEICが英語力を測る上で無意味であることを意味しません。

TOEICで測るリーディング・リスティング能力は、スピーキング能力の基礎ともなります。直接的にスピーキング能力を測ることはできなくとも、成長性を推測することはできます。

また、TOEICを運営しているIiBCは以下の通り、TOEICスコアの水準によって”できること”の目安を公開しています。

TOEICスコア 900~990
•自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。
•英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
TOEICスコア 800~895
•英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
•職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。
TOEICスコア 700~795
•会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。
•自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる。
TOEICスコア 600~695
•自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
•ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。
TOEICスコア 500~595
•電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
•打ち解けた状況で、”How are you?””Where do you live?” “How do you feel?” といった簡単な質問を理解できる。
TOEICスコア 400~495
•看板を見てどんな店か、どういったサービスを提供する店かを理解することができる。
参照:http://www.toeic.or.jp/toeic/about/result.html

上記の目安は、ある程度現実に即した目安であり、英語力を判断する基準として一定の有用性があります。

なぜ日本企業はTOEICを基準とすることが多いか

日本においてTOEICは英語力を測る上で広く利用されています。しかし、全世界的にTOEICが高く評価されているわけではなく、各国において用いられる基準はそれぞれです。

それでは、なぜ日本企業はTOEICを評価基準として導入していることが多いのだろうか。

それは、TOEICの受験者が日本に多いからです。

企業が評価基準として導入しているから受験者が多いとも言えます。いずれにせよ「TOEICの導入企業が増える」⇔「受験者が増える」という循環によって、日本におけるTOEICの地位は確立されたと言えます。

受験者が多いと、企業にとっては求職者間の点数比較ができるというメリットがあります。受験者母数の少ない試験だと、どれほど難易度が高かろうとも比較ができないので、評価がしづらいのです。また、知名度のない試験だとどのような評価を下せばいいのか採用担当も分かりません。その点、TOEICは採用担当者自身も受験していることが多く、どのレベルの点数だと一般的に”すごい”とされるかイメージがしやすい。

さらに、TOEICがスコア(点数)制であることも、企業に受け入れられやすい要因の一つです。英検のように「合否」制だと、合格者間・不合格者間で優劣の比較ができません。一方で、TOEICは受験さえすれば、全ての受験者に対して点数がつけられます。そのため、TOEICスコアの高低によって、求職者同士の英語力を比較することができます。また、受験者からしてもスコア(点数)制というシステムは取っつきやすい。点数を少しでも高くしていくというシンプルな目的で学習をしていくことができるためです。

以上のように、TOEICが日本の企業に導入されているのは、各求職者間の比較がしやすいという点が大きな理由です。そして、その比較のしやすさは「受験者が多い」「スコア制」であることに由来します。同じような試験形式であればTOEICである必然性はないのですが、一度広く普及したTOEICの牙城を崩すのは容易ではありません。そのため、ある日突然評価基準がTOEICでなくなるということは考えにくいでしょう。

TOEICのスコア(点数)によって転職は有利になるか?

TOEICをどれだけ重要視するかは各企業によって方針が異なります。しかし全体を見れば、やはりTOEICの点数が高いほど有利になると言わざるを得ません。

企業によってはTOEICの点数で足きりを設けている場合さえあります。

また、上述したように企業の採用担当自身もTOEICを受けていることが多く、どの程度のスコア水準だと優秀であるかも判断がしやすいのです。TOEICよりも難易度が高い試験で高評価を得ていたとしても、その試験について採用担当が知識を持っていなかったら、正当な評価を下すことができません。その点、TOEICは広く一般に普及しているからこそ、どの企業のどの採用担当であろうとも評価を下せるのです。

結局、世間一般で評価される資格・免許というのは、世間一般に認知されている資格・免許なのです。

それに、多くの人が受けているからこそ、求職者の方が面接官よりもTOEICが高得点という場合もあるでしょう。面接の場において、求職者が面接官よりも優秀である点が多ければ多いほど、面接官はあなたを落とすことができなくなります。その点でも、TOEICが高得点であることは有利に働きます。

逆に、TOEICの点数が低ければ低評価を下されてしまいます。あくまで実感値であり、企業において求められる英語力によっても異なりますが、600から700点台が一般的な評価で、800点台以上だと高評価とされます。

以上の通り、TOEICにおける高得点は転職活動を進める上で有利に働きます。だとしても転職活動を有利に進めることだけを目的にTOEICの勉強を行うことはオススメしません。

企業が欲する人材はあくまで活躍が見込める人材です。そして、”活躍”とは何も”英語を話す”ことに限られることではありません。企業には様々な部門が存在し、様々な活躍の仕方があります。

自分が企業においてどのように活躍したいかをイメージし、その活躍を実現するために英語力が必要だと感じればTOEICの勉強も一つの手段として考えられるでしょう。だが、その場合でさえ目的は”総合的な英語力”を高めることです。であれば、スピーキング力を高めるための学習も当然必要となります。TOEICが評価基準として利用されている以上は、TOEICの点数を高めるための勉強も必要ですが、目的を見失わないように気をつけましょう。


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