履歴書の扶養家族欄の書き方


履歴書には”扶養家族”に関する項目が設けられている。配偶者の有無については、迷わずに何を書くか分かるだろうが、扶養家族の人数の書き方に迷ったことはないだろうか。そこで、このページでは履歴書における扶養家族欄の書き方について説明したいと思う。扶養家族の定義をしっかりと理解して、自身の扶養家族範囲を把握しておこう。

1.扶養家族の記載が履歴書に必要な理由

そもそも、扶養家族に関する記載はなぜ履歴書に必要なのか。就職・転職活動の選考で家族に関する情報は果たして必要なのか、疑問に思うことだろう。

企業にとって扶養家族の情報が必要な理由は、扶養家族がいるかどうかによって入社時の手続きに違いが生じるからです。代表的なのは税金・健康保険の手続きだが、他にも扶養家族の有無によって支給される手当が存在する場合もあり、やはり扶養家族の人数がいるかどうか把握しておく必要はある。

2.扶養家族が選考に影響することはあるか?

以上から分かる通り、扶養家族の情報を履歴書に記載するのはあくまで手続き上の都合であるため、選考における判断要素としては利用されない。

結婚していることや子供がいることで、多少は印象が変わるということもあるかもしれない。私生活でも、若くして結婚して子供を育てている友人がいると、「若いのにすごいな」という印象を受けることもあるだろう。だが、それ以上でもそれ以下でもない。面接でプライベートトークとして家族の話をすることはできるが、その話題が合否に関係することがないのは容易に想像がつくだろう。

このように、選考の合否を決める上で扶養家族欄に注目する採用担当者もまずいない。単純に事実情報をそのまま記載すれば問題はない。

3.扶養家族とは?

それでは、扶養家族欄はどのように書けばいいのか。書き方を知る前に、まずは”扶養”という言葉の意味を知っておく必要がある。

3−1.”扶養”の意味

扶養とは、「自力で生活できない者の面倒をみ、養うこと」を意味する。「自力で生活できない」という言葉の定義が曖昧かもしれないが、履歴書においては”収入面”で自力で生活できないと考えよう。

なお、養う側のことを”扶養者”と呼び、養われる側を”被扶養者”と呼ぶ。

子供がいる場合を考えれば分かりやすい。まだ稼ぎのない子供が”被扶養者”でそれを面倒見る両親のいずれかが”被扶養者”となる。

3−2.”扶養家族”の意味

扶養家族とは、「自力で生活できない家族」を指す。もちろん、「自力で生活できない」とは収入面における意味だ。つまり、収入面で自身が養っている家族が扶養家族となる。

扶養家族欄を書くときに、自身の扶養家族が何人いるかということがポイントとなる。

ただ、「収入面において自力で生活できない」基準はどこにあるのか。例えば、配偶者がパートをしている場合は、一応収入がある。しかし、生活をできる程の収入ではないかもしれない。

そこで、具体的な収入基準が必要となる。その点については、以下で説明する。

4.具体的な扶養家族の基準

扶養家族の基準は税法・健康保険法にそれぞれ設けられている。ただ、厄介なことにそれぞれの基準が異なる。どちらの基準に合わせて記載すればいいか迷われるだろう。

多くの場合、健康保険法の基準に合わせるように説明される。これは、健康保険法の基準の方が収入要件が高く設定されているため、税法では扶養家族基準を満たしていないが、健康保険法では扶養家族基準を満たしていることがあるからだろう。つまり、健康保険法の基準に合わせた方が扶養家族の漏れが少ない可能性がある。

だが、履歴書の情報だけで税金・国民健康保険の手続きが進められることはない。履歴書に扶養家族の情報を書いたとしても、入社前に再度扶養家族に該当する者がいる場合に集める必要がある書類について説明を受けることになるだろう。

そういう意味では、あまり厳密にこだわる必要がないとは言える。なるべく正確に記載しておきたい履歴書だが、扶養家族に関しては一般的に理解が難しい分野なので、例え間違いがあったとしても、どうせ入社前に正しく手続きがなされるように案内はされるはずだ。

もちろん、企業から指示があればそれに従えばいい。また、どちらにせよ入社前の手続きを正しく行うためにも、知識として知っておくにこしたことはない。

4−1.税法における扶養家族基準

所得税では、税法に定義される扶養家族がいると、所得税の控除が受けられるという制度がある。乱暴に言えば、税金が安くなるということで、扶養家族がいる者にとっては控除は当然受けたいところだ。

税法における扶養家族の定義は、以下の4つの要件を満たした者を指す。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
  2. 納税者と生計を一にしていること。
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

まず1に注目したいのだが、扶養家族の対象となる範囲は意外と広い。親・子はもちろんだが、兄弟やその子供、さらにはおじ・おばや従兄弟も対象となる。ちなみに、血族とは同じ祖先から生まれていて血のつながりがある者を指す。姻族は配偶者の血族だ。姻族の方が扶養家族の対象範囲は狭くなる。

次に2の「納税者と生計を一にしていること。」の意味を知ろう。「生計を一にしている」とは、同居している必要はない。例えば、一人暮らしの子供がいたとしても、生活費や学資金を負担していれば、それは「生計を一にしている」ことになる。同居はしていないが、仕送りなどで生活を支えていれば扶養家族の対象となる可能性が高いことは覚えておこう。

そして3が収入面での助けが必要となるかどうかの具体的な基準だ。ほとんどの場合は給与のみの所得となるはずなので、扶養家族の対象範囲の者が103万円以上の収入があるかどうか確認しておけばいいだろう。103万円”以下”なので、103万円まではギリギリOKだ。

4−2.健康保険法における扶養家族基準

次に、健康保険法における扶養家族の基準について説明したい。健康保険法では、以下のいずれかに該当する者が扶養家族の範囲となる。

  1. 配偶者、子、孫、弟妹、父母等の直系親族
  2. 上記以外の3親等内の親族(義父母・兄姉等)で同居している人
  3. 内縁の配偶者の父母、連れ子で同居している人(内縁の配偶者死亡後も認められる)

注意したいのは、1については同居が条件とされていないが、2・3については同居が条件とされていることだ。さらに、上記の対象範囲で以下の要件を全て満たす者が扶養家族となる。

  1. 後期高齢者に該当していないこと。
  2. 被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があること。
  3. 被保険者がその家族を経済的に主として扶養している事実があること(=その家族の生活費を主として負担していること)。
  4. 被保険者には継続的にその家族を養う経済的扶養能力があること。
  5. その家族の年収は被保険者の年収の1/2未満であること。
  6. その家族の収入は年間130万円未満(60歳以上又は59歳以下の障害年金受給者は年間180万円未満)であること。

いろいろと要件があるが、多くの方に関係するのは6だろう。要は収入が年間130万円未満かどうかを確認すればいい。

5.扶養家族欄の書き方

それでは、扶養家族欄の具体的な書き方について説明をしたい。扶養家族欄には、”扶養家族”について記載する欄と”配偶者”について記載する欄が設けられている。それぞれ別に説明したい。

5−1.扶養家族欄の書き方

扶養家族欄の書き方はシンプルだ。税法・健康保険法のいずれかの基準に従って扶養家族の人数を割出し、人数を記載するだけである。多くの場合は、健康保険法の基準で書かれているのでその基準に従って問題はないが、いずれにせよ入社前に正式な手続きを行うので、もし多少間違えていてもそれほど問題にはならない。

あまりに迷うようだったら、とりあえず明らかに扶養家族と言える者の人数を書いてもいいだろう。例えば、まだ自立していない子供は間違いなく扶養家族となる。

ちなみに、多くの履歴書では「扶養家族(配偶者を除く)」と書かれており、配偶者を除いた扶養家族を書くことになるので注意が必要だ。

5−2.配偶者欄の書き方

配偶者欄では、まず配偶者の有無を記載することになる。もし独身であれば”無”に丸をつけよう。離婚している場合も同様だ。逆に、結婚をしている場合は配偶者”有”だ。

次に、配偶者の扶養義務についての記載を行うことになる。独身であれば、ここも同様に”無”に丸をつける。離婚している場合も同様である。

もし配偶者がいて、前述の税法・健康保険法の基準における扶養家族の対象となるのであれば、扶養義務”有”とする。共働きの場合は、ほとんどの場合が”無”に該当するが、収入によっては”有”となるので、一応確認しておこう。

6.急ぎの場合の対処法

履歴書を急ぎで提出する必要があり、どうしても厳密に扶養家族の人数を確認できない場合の対処法についても紹介したい。

6−1.源泉徴収票を確認

迅速かつ正確に扶養家族の人数を確認できるのは、源泉徴収票だ。源泉徴収票には、扶養家族に関する記載がなされており、自身の扶養家族が何人いるかすぐに確認が可能だ。ちなみに、源泉徴収票での扶養家族の基準は税法の基準となっている。

6−2.分かる範囲で書く

また、もし源泉徴収票が手元にない場合は、分かる範囲で書いて問題はない。

履歴書の情報だけで手続きが進められることはまずない。なぜなら入社前に、扶養家族が本当に該当者かどうか確認するために、扶養家族対象者の源泉徴収票などを回収する手続きが発生するからだ。

雑に書いていいということではないが、選考の判断基準となることはないし、間違いがあったとしてもそれで内定を取り消されるということはまずない。それほど神経質になることはないのだ。

7.まとめ

以上、履歴書における扶養家族欄の書き方について説明させてもらった。

扶養家族の定義などは少々複雑で中々理解しがたい部分もある。履歴書の提出時については、選考の判断基準とされることはないのであまり神経質になる必要はないかもしれないが、入社時はしっかりと理解しておきたいところだ。なぜなら、手続きを行うかどうかによって税金の控除額が変わるからだ。手当の支給額も変わる可能性がある。つまり、損しないためにも知識を身に着けておくべきである。
参考リンク:履歴書の書き方ガイド完全版!


スポンサードリンク

SNSでもご購読できます。