書類選考なしの面接はブラック?見極める3つのポイント


「書類選考なしで面接する企業はブラックなんじゃないか・・・」

このように考えている方は少なからずいる。重要な人材採用において書類選考というフローを抜かしているため、「採用できれば誰でもいい」というように見えてしまうのが原因だろう。

そもそも”ブラック企業”とはどういう企業だろうか。以下に厚生労働省からの引用を掲載する。

  1. 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
  2. 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
  3. このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

引用元:厚生労働省運営サイト

労働基準法を守らないような企業が該当するが、それでは本当に書類選考なしで面接を行う企業にブラック企業は多いのだろうか。

この点、私自身が人材業界で働いてきた経験から、正直ブラック気味な求人もあるにはあったが、意外と別の事情から”書類選考なし”にしているケースが多いというのが印象だ。むしろ、完全にホワイトな企業でも”書類選考なし”の面接を受け付けているケースは多い。

そこでこのページでは、企業が書類選考なしで募集を行う理由、そして書類選考なしのブラック求人を見極めるポイントについて紹介したい。

1.書類選考なしで募集を受け付ける理由

なぜ、書類選考なしで募集を受け付ける企業が存在するのか。その理由についてまずは紹介したい。以下を読めば、ブラック企業でなくとも書類選考なしで求人を出す合理性が理解できるだろう。

1−1.実質的に転職エージェント側でフィルタリングをかけている

転職サイトに掲載されている求人には当てはまらないが、”書類選考なし”としながらも実質的に転職エージェント側でフィルタリングを行っているケースは数多くある。

多くの転職エージェントでは、”非公開求人”という形でウェブサイト上に掲載しない求人を持っている。サービスに登録すると、マイページ上で非公開求人を検索できるようにしている転職エージェントもあるが、登録してもユーザー側から求人を検索できない転職エージェントも少なくない。

後者の転職エージェントの場合、求職者はアドバイザーから紹介してもらった求人しか見れないことになる。

そうなると、「書類選考なしで面接はするが、条件に当てはまらない求職者にはそもそもうちの求人を紹介しないでね」という要望を求人企業が転職エージェント側にあらかじめ出すことも可能だ。応募条件が極めて緩いが、最低限のラインを設けている企業に多いパターンだ。

ズルいという印象を受ける方もいるだろうが、最低限のハードルさえクリアしていれば、企業側での書類選考フローが省略されていることには変わりない。
※通常であれば、転職エージェント側でのフィルタリングの後に書類選考が行われる

1−2.知名度が低くて求職者が集まらない

企業としては真っ当であるが、知名度が低くて求職者が集まらないというケースは多い。

求職者を集めるというのは、思っている以上に難しい。だからこそ、企業は転職エージェントや転職サイトを利用するのだ。だが、知名度の低い企業は転職エージェントや転職サイトを利用してもなお、求職者を集めることに苦労する。

応募条件を高くすればするほど、当然応募者の数は減る。ならば残された道は、応募条件を低くすることしかない。企業としては優良企業だが、知名度がないためにこのような採用手法を行っている企業は実に多い。

大量の求職者を捌かなければいけない知名度の高い企業と違って、知名度の低い企業は書類選考をなくしたところで大量に応募が集まることも少ない。であれば、負荷もそれほど増えないので、一人でも多くの求職者に出会えるように”書類選考なし”とすることは合理的な選択だ。

1−3.セミナー・説明会を開催して一括で選考を行っている

セミナー・説明会の参加を必須にして、参加者に対しては書類選考なしで面接を行うケースもある。この手法は、求職者が集まりやすい大手に多いパターンだ。

ただ、人材企業に合同企業説明会を主催してもらって、求職者を一定人数集めてもらうという手法もある。この場合は、中小企業も参加していることが多い。

いずれにせよ、セミナー・説明会で一定人数の求職者を同時に集められるのであれば、企業としても採用工数が減るので、書類選考をなくしても問題にはならなくなる。

1−4.社内制度自体はホワイトだが、厳しい環境である

社内制度や残業時間自体はホワイトなのに、離職率が高い職場は存在する。このような職場では、人員補充が頻繁に発生するため、応募条件を緩めて書類選考なしとするケースはある。

ホワイトなのに離職率が高いのはなぜか、と疑問に思う方もいるだろう。これは、営業職に多いパターンだが、プレッシャーが強い職場では社内体制がホワイトでもプレッシャーに耐えられずに離職率が高くなることはある。

このような求人については、社風が自身に合うか合わないかが重要となるだろう。

1−5.新規事業を行うため早急に人材を確保する必要がある

企業において新規事業を行うため、早急に人材を確保する必要があるケースもある。

このような場合は、採用予定人数をスケジュールどおりに充足させることが再優先となるので、応募条件については通常より緩くすることが一般的だ。

1−6.ブラック企業・・・

後は、単純に労働環境が劣悪で離職率が高いというケース。

書類選考なしの求人にもまともな求人はかなり多いのだが、中にはブラック求人が紛れていることは否定できない。ただ、大多数がブラック求人であるわけでは決していないので、見極めるポイントをしっかり押さえて選別していってもらいたい。

2.ブラック求人を見極めるポイント

それでは、次にブラック求人を見極めるポイントを紹介したい。ただ、一口に”ブラック”と言っても、前述したようにホワイトな社内体制ながらも人によっては環境が厳しいと感じる、という場合も往々にしてある。法律を守らない企業は問題だが、そうでない企業については”ブラック”とは言えないことに注意したい。

2−1.求人内容に曖昧な点が多い

求人内容に曖昧な点が多い企業は要注意だ。

企業が社員を雇うにあたり、ミスマッチを起こさないように可能な限り求人内容は詳細に記載することが望ましい。その点、不利な情報であろうと求人にしっかりと記載している企業は誠実だと言える。例えば、月平均の残業時間が平均より多いにもかかわらず、しっかりと求人に明記しているような場合だ。

逆に、残業時間・休日日数・給与面に関する数値情報の記載が少なかったり、条件面にやたらと注釈が多い求人には注意したい。求人内容に情報を掲載することは、求人企業にとってはエヴィデンスを残すことになる。そのため、悪質な企業においては求人内容を曖昧にすることで、解釈余地を大きく残し、求人における求職者との”約束事”をできるだけ少なくするようにする。「求人に書かれていた内容と違うじゃないか」と後々言わせないためだ。

2−2.面接の雰囲気が悪い

その企業の体質を理解するのに一番効果的なのは、社内で働いている人間と接することだ。その点、面接は企業の社風を理解する重要な場である。

職場の雰囲気が悪いと、そこで働く人間にもその影響は出る。求職者に対する思いやりがなかったりする企業は、それだけ人を大事にしていない企業である可能性も高い。

例えば、残業時間が多いベンチャーがあるとする。だが、残業時間が多くても活き活きとしている職場は存在する。その場合は、面接における雰囲気も明るいはずだ。そうなると後は価値観の問題で、「職場は明るそうだけど残業時間が多いのは嫌だな」と思えば辞退すればいいし、それでも働きたいと思えば内定を目指せばいい。

働く人間と接して、何かしら違和感を覚えたら、その職場はあなたが理想とする職場ではない可能性があることを頭に入れておこう。

2−3.コーポレートサイトにおける具体的情報が少ない

コーポレートサイトは、企業の顔だ。求職者はもちろん、取引先・社員・株主などあらゆるステークホルダーが見ることになる。

そのコーポレートサイトにおいて、事業内容などの具体的情報が少ない場合も警戒が必要だ。ただ、中小企業ではコーポレートサイトまで手が回らなくて、デザインが古かったり、情報を拡充させていくことができない場合も多い。そのため、コーポレートサイトがしょぼい=ブラック求人とは直結しない。

注意したいのは、具体的情報が少ないのに、やたらと高尚な理念を語っていたり、企業を大きく見せるように派手な装飾をしている場合だ。

3.まとめ

以上が、書類選考なしで企業が面接を行う理由と、ブラック求人を見極めるポイントだ。

書類選考がないからといって、ブラック企業であると考えるのは早計だ。優良企業なのに書類選考なしで面接を行う企業は結構ある。それほど、企業にとって採用という作業は難しいのだ。知名度が採用に及ぼす影響は大きい。知名度がない企業はハードルを下げていかないと、満足に採用が行えない場合も少なくはないのだ。

書類選考がない企業でも、”人材”を大事に考えている企業は、その姿勢が求人やコーポレートサイトさらには面接の場で表れる。優良企業も多いので、書類選考なし求人でもすぐにブラックと決めつけずに、しっかりと求人内容を確かめてから判断しよう。


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