内定後の承諾・回答期限は延長できるの?交渉して上手に転職しよう!


転職活動で内定をもらったはいいものの、内定に対する承諾期限が短くて焦ったという経験をしたことはないだろうか?転職活動では、内定後の承諾期限が短く設けられる傾向にあり、落ち着いて内定先への入社を検討することができないケースが多い。

しかし、転職というのは人生における大きな変化でもあるので、焦って決めたくはないというのが本音だろう。

そこでこのページでは、そもそも企業が承諾期限を設ける理由から、実際に延長するための交渉方法について紹介していきたいと思う。

1.なぜ内定に承諾期限が設けられるのか?

そもそもなぜ内定に承諾期限を設ける必要があるのだろうか?実はこの点を理解することで、承諾期限の延長がしやすい求人とそうでない求人の見極めを行うことができる。企業側の立場をまずは理解しておこう。

1−1.承諾するか否かによってその後の採用計画に影響が出るため

企業が承諾期限を設ける理由は、内定者が承諾するか否かによってその後の採用計画に影響が出るからだ。

もし内定者が辞退するとなると、再度採用活動を行う必要が出てくる。しかも、誰かに内定を出している期間は、その分の採用枠については他の者に内定が出せなくなってしまうので、全体的に企業の採用活動がストップしてしまうのだ。そのため、承諾期限をあまり長く設定するわけにはいかないのだ。

例えば、1ヶ月後に内定辞退されるのと1週間後に内定辞退されるのとでは、1週間後に内定辞退されたほうが企業にとっては当然ダメージが少ない。1周間程度であれば、選考に進んでいた他の候補者をそのまま繰り上げ内定にすることができたりと、軌道修正がしやすいのだ。

だが、1ヶ月となると話は別だ。1ヶ月も承諾を待つとなると、企業は他の候補者の選考は止めるしかなく、その間にその候補者たちが逃げていってしまう可能性も大きい。それにも関わらず、1ヶ月後に辞退なんてされてしまったら、ゼロからの採用活動をまた始めなければならず、被害が大きい。

このことから分かるのは、後の採用計画に影響が生じやすい求人ほど、承諾期限を延長することが難しいということだ

1−2.転職エージェント側で設定しているケースも多い

転職エージェント経由で転職活動を進めている場合に多いのが、転職エージェント側で承諾期限を設定しているケースだ。

転職エージェントにとって、承諾期限はなるべく短ければ短いほどいい。というのも、転職エージェントは転職希望者が企業に入社して初めて報酬をもらえる、成果報酬型のビジネスモデルだからだ。内定が出てもまだ売上は立っておらず、転職希望者が承諾をしてくれることで初めて売上が立つのである(厳密には入社してだが)。つまり、内定から承諾までの間は、転職エージェントにとって売上が立つかどうか不明の宙ぶらりんの状態であり、精神衛生上よろしくない。
参考記事:転職エージェント(人材紹介サービス)について

転職エージェントは転職希望者が企業に入社してくれないと、完全にタダ働きになってしまう。だからこそ転職エージェントが最も恐れるのは、自分たちが紹介した求人ではなく他のエージェントの求人で内定をもらってそちらに入社されてしまうことなのだ。

このことから分かるのは、転職エージェントを利用している場合は、転職エージェント側があえて短い承諾期限を設定していることが多いということだ。

1−3.承諾期限は1週間程度の場合が多い

ちなみに内定後の承諾期限は大体1週間程度に設定されることが多い。私自身転職エージェントでキャリアアドバイザーを勤めていた経験があるが、まずは1週間の期限を伝えた上で、内定者の希望を聞きながら調整していくことが多かった。

また、転職エージェントを利用していない場合でも、いずれにせよ1週間程度に設定されることが多い。長く設定すれば、内定者に他企業の選考を受ける余裕を与えてしまい、逃げられてしまう可能性が出る。そして前述したように、長く設定した末に内定辞退されると採用計画が狂ってしまうからだ。

2.結局内定後の承諾・回答期限は延長できるの?

それでは結局内定後の承諾期限の延長は可能なのか?結論から言うと、受けている求人の種類によって難易度は変わるが、承諾期限の延長はできる。ただし、どのような求人で承諾期限の延長ができるのかは理解した方がいい。求人によっては、承諾期限の延長を申し出ることで大きく印象を悪くすることもあるからだ。

そこで、以下で延長しやすい求人とそうでない求人の特徴を紹介したい。

2−1.大量採用している求人は延長しやすく、少人数採用は延長しにくい

経験上、ほぼ確実に内定後の承諾期限延長に応じてくれるのが大量採用系の求人だ。同じポジションで大量採用している求人では、内定辞退が一人発生したところで、どうせ採用活動は並行して進めているので大きな影響がないのだ。つまり、内定辞退が採用計画に与える影響が軽微なのである。

さらに、延長期間を長く取りやすいのも特徴だ。1年間を通して採用を行っている大量採用求人の場合、入社月とその時に入社する人数に定員を設けていることがあるので、承諾期限を延長すると入社月がそれに応じて後にされる可能性があるが、逆に言えばそれだけだ。

大手の営業・接客・ITエンジニア・コールセンターのポジションに大量採用求人は多く、これらに該当する場合は延長しやすいと思っていいだろう。求人票の採用人数なども確認しておくといい。

ただし、逆に少人数採用の求人は承諾期限を延長しにくい。例えば、1名採用のポジションで内定を1名出すと、その他の候補者には内定が出せなくなり、企業は採用活動を一時的に採用をストップしなければいけなくなる。その状態で承諾期限を長く設定したあげくに辞退をされると、企業としても採用計画に大きな影響が出てしまう。

採用人数が少人数であればあるほどに、内定辞退されたときの採用計画への影響は大きく、そのために企業は承諾期限の延長を嫌がる傾向にある。もちろん、延長できないということはないが、少なくとも長い期間の延長は困難であることは理解しておこう。

2−2.社長が最終面接に出てきている場合は延長しにくい

中小企業に多いパターンだが、最終面接に社長が出てくると、承諾期限は延長しにくいことを理解しておこう。特に、会社を創業した社長の場合はなおのことだ。

社長という人種は自身の会社にプライドを持っている。むしろそれくらいでないと社長なんてやれないだろう。自分がプライドを持って経営している会社なのだから、なるべく前向きな気持ちで「ぜひとも入社したい」という想いで入社して欲しいと考える社長は少なくない。だからこそ、承諾期限の延長を内定者から交渉されると、企業への入社意欲が低いと社長に判断されてしまい、印象は悪くなる。

もちろん、社長が全員このように考えるわけではない。あくまで傾向である。ただ、社長が最終面接に出てくる場合は、その社長がどのような性格であるか見極めた上で、承諾期限の延長は慎重に行った方がいいだろう。

2−3.欠員募集の場合は延長しにくい

欠員募集の求人についても承諾期限の延長はしにくい。というのも欠員募集の求人は、採用を急いでいるものが多いからだ。

多少の延長は融通を効かせてくれるかもしれないが、欠員募集の求人はなるべく早く入社して欲しいということもあり、あまり長い期間の延長は望めない。

3.承諾・回答期限を延長の交渉方法は?

さて、承諾期限を延長しやすい求人としにくい求人の違いがわかったところで、次は実際の延長交渉の方法について紹介したいと思う。

3−1.担当キャリアアドバイザーから温度感を探る

もし、転職エージェントを利用している場合は、前述したように転職エージェント側で承諾期限を設定しているケースが多い。そのため、提示された承諾期限は交渉余地ありの場合がほとんどだ。

そこで、まず担当のキャリアアドバイザーにどの程度承諾期限を延長することができるか、温度感を探ることが重要だ。前述したように、求人によって承諾期限を延長しやすいものとそうでないものがある。自身の求人がそうであるかどうか、キャリアアドバイザーの反応を見ながら探ってみよう。

馬鹿正直に「承諾期限を延長することはできますか?」と聞くより、「現状のままだと決めきれないので、承諾期限を延ばしたいのですが、どれくらいまで延長できますか?」のように、ある程度承諾期限を延長することを前提に伝えた方がいいだろう。この際に、「どうしても承諾期限は延長することができない」とキャリアアドバイザーから返答があったら、それは本当に延長しにくい可能性がある。

ちなみにベストは「○月○日まで延長して欲しい」と明確に希望を伝えることだ。というのも、前述したようにキャリアアドバイザーはなるべく承諾期限を短めに設定しておきたいので、承諾期限をこちらから明示しない限りは、大した延長はしてこないからである。こちら側から希望した期限が、どう考えても内定先企業の入社希望時期と合わない場合は、キャリアアドバイザー側から「それは無理です」と教えてくれるので、とりあえず自分の希望を伝えてみてもいいだろう。

3−2.オファー面談を設定してもらう

承諾期限を一番カンタンかつ相手への印象を悪くせずに延長する方法は、オファー面談を設定してもらうことだ。

オファー面談とは、入社条件の詳細やその他企業について説明する場であり、内定後に行われるケースがたまにある。オファー面談をそもそもの採用フローに組み込んでいる企業の場合は、自分から設定を希望しなくとも、勝手に企業側からオファー面談の希望日時について聞いてくるだろう。

だが、そうでない場合は自分からオファー面談を希望する旨を伝える必要がある。ちなみにオファー面談というのは、企業から内定者に向けて使う言葉なので、面談希望の旨を伝える際には「オファー面談を希望します」ではなく、「面談を希望します」と言うようにしよう。

転職エージェントを使っているのであれば、キャリアアドバイザーに面談希望する旨を伝えればいいが、もし企業の採用担当者と直接やり取りする場合は、希望の出し方に少し気を使うだろう。「より業務内容や職務内容、社内の制度について深く知りたいので、直接お話をお伺いする機会をいただくことはできませんか?」といった形で、丁寧にお願いすれば、大体希望は受け入れてもらえると思う。

ただ、面談の日程をせっかく設けてもらうのに、その日程をあまり遠くに設定することは失礼に値する。内定後から1週間以内の日程で行うのが一般的なので、この方法では大体1週間くらい余分に承諾期限を延長できると考えておけばいいだろう。

3−3.家族へ相談したいと伝える

承諾期限の延長理由として、配偶者や親への相談は納得感があり、受け入れてもらえやすい。

ただし、この理由は受け入れてもらいやすい反面、それほど時間を稼げないという欠点もある。親族であれば連絡は取りやすいはずなので、相談するのにそれほど時間が必要とされるはずがないからである。せいぜい余分に数日から最大で1週間くらい延長できるという程度に考えておこう。

3−4.誠実に他の企業を受けきってから決めたいと伝える

承諾期限を最大限伸ばしたい場合は、誠実に他の企業を受けきってから転職先を決めたいと伝えるのも手だ。

ただしこの場合は、現在選考中の企業がいくつあり、いつまでに選考中の企業が受けきれるか、という点は必ず伝えておこう。内定先の企業も、転職が人生において大きな決断であることは少なからずわかってくれているはずなので、誠実に伝えれば意外と受け入れられることもある。

とは言っても、この方法によって承諾期限を延長できるかどうかは、内定先企業からのあなたの評価によっても決まる。そこまでして入社させたい人材ではないと判断されれば、当然受け入れられないだろうし、逆にその価値があると思われれば、待ってくれる可能性もある。

4.そもそもの理想は選考企業の内定を全て同時期に出せること

ここまで、内定後の承諾期限を延長する方法について紹介させてもらったが、そもそも論として、このような交渉はしないで済む方がいいに決まっている。では、どのようにすればこのような交渉をしないで済むだろうか?

それは、選考企業の内定を全て同時期に出すことだ。

4−1.選考企業の最終面接を同じ週に固める

選考企業の内定を全て同時期に出す方法はシンプルである。それは、選考企業の最終面接を全て同じ週に固めることだ。大体面接の結果が出るのはどの企業も1週間程度だ。同じ週に最終面接を固めることで、同時に入社先企業を比較することができ、焦らずに洗濯することができるだろう。

内定後の承諾期限を延長するよりも、選考日程を後延ばしにする方がはるかに気が楽だ。特に現職中で転職をしているのであれば、仕事を言い訳に選考日程を後ろ倒しにしていくことはそれほど難しくはない。一方で、離職中だと選考日程を後ろ倒しにしていくことは難しくなるが・・・・ただ、離職中の場合は、無理やり選考を詰めていくことができるので、それぞれの選考の足並みを揃えていくことはそれほど難しくないだろう。

転職活動中に、それぞれの選考スケジュールの足並みを戦略的に揃えていくのも一つの手なのである。

4−2.選考を合わせることに気を回しすぎて、定員が埋まってしまうことも

さて、それぞれの企業選考を合わせることで、内定のタイミングを同時にでき、それぞれの企業を比較しながら転職先を決定できるというメリットがある一方で、実はリスクもある。

それぞれの選考の足並みを揃えていくことで、通常であればもっと早く進められた選考を、後ろ倒しにしなければいけないこともあるだろう。そうこうしているうちに、求人の採用枠が埋まってしまい、結果的にその求人の内定を得られないということもありうるのだ。

特に中途採用の求人は、採用枠が埋まってしまうと無慈悲にその枠は締め切られることが多い。「求人は生モノ」とよく言われるが、中途採用の求人は本当に気を抜くといつの間にか定員が埋まって消えていくこといなる。

大量採用求人であれば、このようなリスクは少ないかもしれないが、少人数採用の求人を受けている場合は警戒が必要だ。

4−3.選考中にしっかりと入社したいかどうか考えておく

選考企業の足並みを揃えることも一つの手だが、そもそも転職活動中に受けている企業の中で、どの企業に入社したいかということを真剣に考えるべきだと個人的には思う。

内定が出てから考えるのでは遅いのだ。内定が出てからだと承諾期限は基本的に1週間だし、せいぜい伸ばせても+1〜2週間程度だ。となると、実は転職活動中に自分が本当に入りたい企業がどこなのか、真剣に考える時間があると言える。

選考中にしっかりと入社したい企業を考えておくことで、内定が出てから慌てるようなことも避けられるだろう。


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