『ナルシスト採用』が帰ってきた。キャリア解放区のニッチすぎる就職支援。

ナルシスト採用

ナルシスト採用

ナルシスト採用

マイナーでマニアックな就職サービス

今年も帰ってきた。キャリア解放区が運営する『ナルシスト採用』。

就職経験のない若者を対象とした『就活アウトロー採用』、取締役全員がニートである『NEET株式会社』のサポートといった事業で知られる、特定非営利活動法人キャリア解放区。

常識からは考えられないようなサービスを社会実験的に運営しており、『ナルシスト採用』もそのうちの一つ。

エッジのきいたサービス名であるが、そのサービス名に負けず劣らずウェブサイトも奇抜なイラストでチャラけている。どう見てもまともなサービスではなく、人材業界で働いている人からしたら「ふざけている」と思うだろう。

だが、このサービスはふざけていていいのです。

なぜならナルシスト採用というサービス自体が、既存の就活・転職に対する疑問を出発点としているからである。今まで社会で”正”とされてきた就活・転職の在り方に対して”NO”を投げかけるのがナルシスト採用。

ナルシスト採用の表面的なおふざけを見て、”怪しい”と感じてしまう人もいるかもしれないが、このサービスの本質まで見つめていくと現代社会のいびつな構造への問題意識がしっかりと読み取れる。

人材業界で働いている私の周りでも、表面だけを見てナルシスト採用に嫌悪感を示す者がいるが、このサービスを作ったキャリア解放区の方がよっぽど人材業界のあるべき姿について深く考え、現状を打破しようとしていると感じます。

キャリア解放区は2013年に設立された法人ですが、今年もナルシスト採用を行っているところを見ると、順調に運営は続けられているようです。これは、現状の社会の在り方を”当たり前”として受け入れられずに、”違和感”をおぼえる方がそれだけいるからだろう。そして、このような感覚は個人的に正常だと思います。

集う、表現する。仲良くなる。

それではナルシスト採用では、どのような就職支援が行われるのか。

ナルシスト採用は、プログラムを通して内定を目指すという意味では、転職エージェントと似ています。だが、そのプロセスが全く異なる。

転職エージェントでは、如何に転職を成功させるかに重点が置かれ、社会・企業に順応できる人材であることを求められます。だからこそ、「履歴書・職務経歴書の添削」や「面接対策」といったことが行われます。

ここに疑問を感じる方もいるでしょう。”個”を見せるのであれば、添削や対策といったテクニックは必要がないはずである。しかし、就職・転職を成功させるためには個を殺して、自分自身を「社会・企業が求める自分」に変える必要がある。

現実には、書類添削・面接対策が完全に個を殺すものとは言えないが、それでもある程度そのような要素が含まれていることも否定はしきれない。そして、このことに耐えられない方もいることは事実。

このような不器用な方にとっては、なんとも生きにくい社会なのかもしれません。

ナルシスト採用は、そんな”個”を捨てられない不器用な方へのサービスです。

就職経験は問わない。髪型は問わない。服装は問わない。さらに、サービスの中にはエントリーシートの提出、グループ面接、研修、面接対策といった内容は一切含まれていません。

やることと言えば、「自由に討論する」ことだけです。

お互いが自由なテーマで自由に討論をして、互いの理解・関係性を深めていくのです。

企業とのマッチングも用意されているのですが、企業へのアプローチの仕方さえも自由。テクニックを教えこまれたり、決められた様式で面接を行うということも一切ない。

“個”を重視するナルシストたちが集って、自分のことを表現して、周りと仲良くなる。それだけのサービスなのです。

だが、決まり事が何もないからこそ、参加者は自分自身で働くことに対する自分なりの答えを見つけることができ、自分のやり方で企業へアプローチすることができる。

押し付けられることが嫌いな、不器用な”ナルシスト”にとっては、このやり方が一番なのかもしれない。

“当たり前”への疑問をこれからも

ナルシスト採用を運営するキャリア解放区は一見ふざけて見えるが、前述したように社会の在り方に対して問題意識を持った上でサービス運営を行っている。

コンセプトが明確であり、問題意識をサービスに直接反映させている点も興味深い。

このようなサービスは既存のプレイヤーから出てくることは中々ない。だからこそ、キャリア解放区には今後も”当たり前”に疑問を抱き続けてサービス展開を進めてほしいと思います。


スポンサードリンク

SNSでもご購読できます。