既卒とは


既卒とは

“既卒”とは、学校卒業後から一度も就職していない者を指します。

具体的には、新卒での就職が決まらずに卒業をした者、公務員試験・各種資格試験を目指していたが在学中に合格できずに卒業をした者などが該当します。

ただし、明確な定義がなされていないため、フリーター・ニートとの区別が曖昧です。卒業後1~3年程度であれば”既卒”、それ以上であれば”フリーター”もしくは”ニート”として扱われる傾向にあります。

また、既卒を新卒採用枠で応募受付している企業も増加傾向にあります。2010年には53.2%だったのが、2014年には60.4%と増加しています。さらに、新卒採用枠として募集する既卒者の対象を2~3年以内としていた企業が、2010年には12%だったのが、2014年には51%と急増しています。(参考:『若年雇用を取り巻く現状』厚生労働省)

一方で、既卒を新卒採用枠で募集していない企業は、既卒を中途採用枠で募集することが多いです。つまり、就職を一度もしていないにも関わらず、”転職”市場において戦うことになります。

既卒は定義が曖昧でありますが、あくまで人材業界・採用企業が求職者を便宜上振り分けるために用いられている分類ですので、各社によって振り分ける際の定義は大きく異なります。そのため、あまり”既卒”という言葉に振り回される必要はないと思います。

既卒を対象とする求人の見分け方

既卒は人材紹介会社・採用企業によって、扱われ方が異なります。そのため、既卒を対象としている求人を見分けるのに苦労するかと思います。

既卒の場合、”新卒採用枠”もしくは”中途採用枠”で求人を探すことになります。

“新卒採用枠”で求人を探す場合、卒業後の経過年数に気をつける必要があります。卒業後3年超の既卒者を”新卒採用枠”で応募受付している企業は5%ほどです(参考:『若年雇用を取り巻く現状』厚生労働省)。そのため、”新卒採用枠”で応募できる目安は卒業後3年未満と考えましょう。

“中途採用枠”で求人を探す場合、社会人経験を問わない求人を探す必要があります。経歴不問・職歴不問・未経験歓迎と記載されている求人であれば、応募ができる可能性が比較的高いです。また、既卒の転職に特化した人材紹介サービスを利用すれば、そもそも既卒対象の求人しか紹介されないので、確実です。

既卒を対象としているか否かを求人情報だけで判断するのは難しい場合もあります。そのため、明らかに既卒を対象外としている求人を除いて、とりあえず気になる求人に応募をしてみるのも一つの手です。対象外の場合は、応募のお断りがなされるだけです。

既卒が苦戦するポイント

“新卒採用枠”で応募する場合、既卒のライバルは新卒となります。一方で”中途採用枠”で応募する場合のライバルは、第二新卒となります。

新卒と既卒は社会人経験がない点では共通していますが、年齢は新卒の方が若いです。また、第二新卒は既卒と異なり、社会人経験があります。つまり、既卒は”新卒採用枠”と”中途採用枠”のいずれの場合にも、不利な立場に立たされてしまいます。

特に社会人経験がない点が最も懸念されることが考えられます。

そのため、社会人経験がない点をカバーする成長性を示すか、未就業中に社会人として働く以上に価値のある経験をしたことを示すことが重要になります。

社会人経験がなくとも、専門的な知識を身につける努力を行っていれば成長性を示すことができるでしょう。社会人以上の専門的な知識を身につけていれば、社会人経験がないことは大きなハンデにはなりません。アルバイトを全力で頑張っていたことなども、バイタリティを示すことができるでしょう。フリーランスとして働く経験をしてみるのも、会社で働く社会人にはない経験を得られるという点で、アドバンテージになるでしょう。

また、「そもそもなぜ既卒になったのか」という点も質問される可能性が高いです。

その際は、言い難いことでも素直に認めて、今後の成長意欲を見せた方がいいでしょう。自身を客観的に見れるかどうかは、面接官が求職者のポテンシャルを判断する上での大きな材料になります。

既卒の転職の進め方

“新卒採用枠”での入社を希望する場合は、新卒募集を行っている企業の求人を対象に、既卒の応募を受け付けているかを確認しましょう。もし既卒に関する言及がなされていないのであれば、とりあえずは応募してみてもいいと思います。

“中途採用枠”での入社を希望する場合は、既卒を対象とした人材紹介サービスなどを利用するのがスムーズでしょう。

新卒採用枠で既卒応募を受け付けている企業は、ブランディングの意味合いを込めている場合もあり、既卒を必ずしも対象とする必要がないことがあります。一方で、中途採用枠で既卒応募を受け付けている企業は、人手が足りていない・採用力がない企業という場合が多いです。

つまり、中途採用枠での応募を受け付けている企業には、採用に困っている知名度のない中小企業求人が多くなる傾向にあります。

しかし、”知名度のない中小企業=だめな企業”というわけではありません。知名度のない中小企業にも、優良な企業が実はかなり多くあります。知名度がないために採用には苦戦しているが、事業自体は立派な場合は数多くあるのです。しっかりと選べば問題はありません。

知名度のある有名な企業は、採用に苦労していない場合が多いです。そのような企業は、あえて既卒を対象に採用するメリットは少なくなってしまいます。一方で知名度のない企業は、採用に苦戦するため、既卒だとしてもポテンシャルがあれば採用したいと考えます。

だからこそ、既卒での転職は既卒を対象とした人材紹介サービスを軸に転職活動を行うことをおすすめします。平行して新卒採用枠での応募を行ってもいいでしょう。あえて、どちらかに限定する必要はないと思います。不利な立場にある既卒だからこそ、できるだけ可能性を広くしましょう。

既卒は不利。だからこそ、早めの転職を。

既卒は新卒市場・転職市場、いずれの場合でも不利な戦いを強いられます。

“社会人経験がない”・”既に卒業してしまっている”という点のみで不利になってしまうことに納得のいかないこともあるでしょう。しかし、企業も採用に人的コスト・金銭的コストを割く以上は、効率的に採用活動を進めたいと考えるのは自然です。そうなると、既卒という点でフィルターをかけてしまうことも残念ながらあります。

社会人経験がない既卒は、必要以上に自分自身の能力を低く見積もり、就職活動・転職活動への抵抗が生まれ、就業から離れてしまうという悪循環に陥ってしまうことがあります。

ですが、既卒の就職・転職活動が不利になるのはあくまで”既卒”としてのレッテルが貼られてしまっているからです。能力の差異は、同年代の社会人と決して大きな差はありません。

だからこそ、早めに就職・転職活動を行うことをおすすめします。一度社会人としての経験を得れば、それだけで以前ほど転職活動で不利に扱われることはなくなります。自分の望む企業でなくとも、一度入社してしまえば、その後転職活動を再度行えば、以前と比べて自分の希望する企業に入りやすくなります。

既卒だから就職・転職活動が不利になったとしても、過去は変えられないのだから、開き直ってその現実を受け入れて、現在のベストを尽くした方が間違いなくいいです。


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