企業研究のやり方を押さえて一歩リード!企業研究4つのポイント

ビル

企業研究とは、企業について詳しく調査することを意味するのだが、就活・転職で後回しにされる例がよく見られる。

それは、業界研究・職種研究等が”面”による対策なのに対して、企業研究は”点”による対策だからだろう。例えば、「金融」という業界について研究を行えば、金融業界の全ての志望企業に対して応用できるが、企業研究は個々の企業について行う必要がある。

このように考えると、一見すると企業研究は汎用性が低く、そのために重要性も低いように思われるかもしれない。

だが、私が人材業界で働いてきた経験から言わせてもらうと、就活・転職の際に最も重要となるのは企業研究である。しかし、なぜ重要なのか理由がわからないままに漠然と企業研究を行っても意味はない。

そこで本記事では、以下の順に沿って、企業研究の重要性と具体的なやり方について紹介したいと思う。

  1. 企業研究が重要な3つの理由
  2. 企業研究における7つの情報収集方法
  3. 企業研究で特にチェックすべき5つのポイント
  4. 企業研究を面接に活かす2つのポイント

就活・転職で中々選考を通過できないという方は、企業研究を疎かにしている可能性がある。もし思い当たる節があれば、是非参考にしてもらいたい。

1.企業研究が重要な3つの理由とは?

企業研究を後回しにする原因の多くに、企業研究の重要性に対する理解不足が挙げられる。そこで、まず企業研究の重要性について理解をしよう。

企業研究の重要性を理解し、目的を持って企業研究を行うことができるようになれば、書類選考・面接選考といった各種選考にも活かすことができるようになる。

1−1.自分は本当にその企業に入りたいのか

就活・転職をしていると、早く内定を得たいがために、様々な企業にとりあえず応募するということがあるだろう。

多くの企業に応募すること自体は悪いことではない。しかし、応募している企業に自分が本当に入社したいのかどうか、という点は常に意識しておくべきだろう。

そして、応募企業に自分が入りたいかどうかを確かめる手段が、企業研究なのである。企業がどのような事業展開をしているのか、どのような社内制度を導入しているのかを知り、それらが自分のやりたいこととマッチをしているのか確認するために企業研究は必須である。

企業研究を疎かにし、とりあえず内定が出た企業に入社したとしても、その企業が自身に合わなかったら、短期で退職することにもなりかねない。実際に、大学卒業後3年以内で企業を退職する割合はおよそ3人に1人である。

23年3月新規学校卒業者の離職率

平成23年3月新規学校卒業者の離職率(参考:厚生労働省:新規学卒者の離職状況

就活・転職というのは、内定を得るのがゴールではなく、自身が「働きたい」と積極的に思える企業に入社するのがゴールなのである。

働くことに積極的ではなく、どこでもいいから入れればいいという方もいるだろう。だが、働くことに積極的でない人が、働くことに積極的な人しかいない企業に入社したら、社風が合わずに辛い想いをするはずだ。その点、「どこでもいい」と考えている人についても、企業研究は必ず行うべきだ。

以上のように、企業研究はミスマッチを防止するための、重要な作業なのである。

1−2.志望企業における自分の価値を見つける

企業研究を行い、自分が本当に入社したいと思う企業を見つけたとしても、その企業があなたを求めてくれるとは限らない。企業があなたを採用したいと考えるのは、以下の点が満たされたときだ。

あなたが企業にとって価値のある人材であるとき

就活・転職はパートナー探しである。片方が相手に対して一方的な好意を抱いても、その相手が好意を抱いてなければ、マッチングは成立しない。つまり、就活・転職とは相思相愛になって初めて、内定・入社という流れに進めるのである。

そのため、自分が入社したい企業が見つかったら、次は相手に自分を「入社させたい」と思わせなければいけない。そして、ここでまた企業研究が重要な意味を持つことになる。

企業研究を行い、企業への理解を深めていけば、自ずとその企業において何が求められているかが見えてくるだろう。企業が求めていることに対して、自分自身がどのような価値を提供することができるのか。どのような貢献をすることができるのか。それらを分析して、企業へアピールすることができるようになれば、企業もあなたを採用したいと考えるはずだ。

1−3.テクニカルな面での効果

人材業界で働いてきて感じるのは、求職者が面接対策や書類の書き方等、テクニカルな対策に振り回されているということだ。どのように書類を書けば印象がいいのか。どのような受け答えをすれば面接に通過できるか。こういった小手先のテクニックを気にしている方が非常に多い。

確かに、書類の書き方や面接での受け答えは、自分を効果的にアピールするために重要だ。

だが、これらのテクニックは書く内容・話す内容をより一層際立たせるためのものであり、そもそもの書く内容・話す内容が浅ければ、全く意味をなさない。

履歴書・職務経歴書といった書類に何を書けばいいか、面接でどのような受け答えをすればいいか、その答えは知りたければ、まず採用担当の立場に立つことが重要だ。採用担当が採用をしたいと考えるのは、前述したように「企業にとって価値のある人材」である。

つまり、採用担当が書類や面接を通して知りたいのは、

  • 自社への理解は十分か
  • 自社への入社意欲は高いのか
  • 自社で活躍することができるのか

といった点である。これらの点を採用担当へアピールするには、企業への理解は大前提であり、そのため企業研究は当然必要となる。

逆に言えば、企業研究さえやっておけば、履歴書・職務経歴書で書けることは自然と増え、面接でアピールできることも自然と増えるはずだ。つまり、企業研究は副次的に書類作成・面接対策といったテクニカルな対策も兼ねているのである。

小手先のテクニックに振り回されている方にこそ、企業研究が実は最強の就活・転職テクニックであることを理解してもらいたい。

2.企業研究における7つの情報収集方法

企業研究の重要性について理解できたところで、次に企業研究のやり方について説明したいと思う。まず、企業研究を行うためには、その基となる情報が必要となる。

つまり、企業研究のファーストステップは情報収集なのだ。

しかし、就活・転職は限られた時間の中で行い、応募する企業も複数であることが一般的だ。そのため、効率的に情報収集を行うことが企業研究のポイントとなる。

効率化のためにも、企業研究の際に活用できる情報源についてはあらかじめ押さえておくべきだろう。そこで、以下に企業研究に役立つ情報収集方法を紹介する。

Web情報を基本に、状況に応じてその他の情報を活用していくことをおすすめしたい。
さらに詳しく知る:企業研究で重宝する16の情報源

2−1.コーポレートサイト

コーポレートサイトは、企業の一次情報を得るのに最も活用することができる媒体だ。企業理念、サービス、売上、今後の展望、CSR活動、IR等、様々な情報を知ることができる。企業に関する情報収集を行う際に、最初にチェックしたいのがコーポレートサイトである。

一方で、コーポレートサイトに力を入れていない企業も少なくはないので注意が必要だ。企業規模が小さいほどその傾向にあるため、その場合は他の媒体から情報を収集していくしかない。

コーポレートサイトでは、その企業が今後どのような動きをしていくのか、またどのような理念を持っているのかを重点的に見ていこう。そのことで、企業がどのような人材を必要としているかイメージしやすくなるはずだ。

売上や従業員数などの数字の部分は、大まかに把握しておけば問題ない。当然、売上を丸暗記する必要なんてない。売上・従業員数など数値で表されているような情報は、企業の規模や企業の成長性を把握するためには重要だが、その数値自体に意味があるわけではない。
さらに詳しく知る:企業研究の基本はコーポレートサイトから

2−2.採用サイト

ある程度大きい規模の企業には限定されてしまうが、コーポレートサイトとは別に専用の採用サイトを持つ企業も中にはある。

コーポレートサイトは株主・従業員・顧客・求職者など、企業に関わる全てのステークホルダーに向けた情報であるのに対し、採用サイトは求職者に向けたメッセージが集約されている。

企業がどのような人材を欲しているか知ることができるため、採用サイトが設けられている場合は必ずチェックしておきたいところ。

2−3.サービスサイト・ブランドサイト

企業に入社すれば、その企業が展開するサービス・ブランドの事業に関わっていくことになる。

そのため、サービスサイト・ブランドサイトを設けている場合は、サービス・ブランドを理解するためにもチェックしておこう。

企業が展開するサービス・ブランドについてあらかじめ知っておくことにより、自身がそのサービス・ブランドを発展させるためにどのような貢献ができるかをイメージすることができるはずだ。

2−4.社長インタビュー・特集記事

社長のインタビューや企業に関する特集記事も、もしあれば目を通しておこう。

特に社長インタビューは、現在の会社の方針や会社の理念を理解するためには重要だ。また、第三者が取材したような企業の特集記事は、その企業に関する客観情報を得ることができるため、違った視点で企業を研究する上で大きな手助けとなる。

2−5.書籍・雑誌・パンフレット

Webでの情報収集に一段落がついたら、書籍・雑誌・パンフレット等の紙媒体での情報収集も一つの手だ。

紙媒体は情報の質が高い傾向にある。ただ反面、有料であることがほとんどで、加えて消化するのに時間がかかるのも難点だ。時間が限られる就活・転職において、全ての企業に対して紙媒体による研究を行うのは現実的ではないだろう。

現在は、Web情報もかなり質が高くなっているので、無理して手を伸ばす必要はない。あくまで余裕があれば、手を広げる程度に留めておこう。

2−6.社員

企業を深く知るのに、リアルな情報ほど有用なものはない。

実際にどのような業務を行っているのか、どのような雰囲気なのかを知る上では社員に直接会うのがベストだ。OB・OGや友人・知人の中で、応募企業に勤めている方がいれば一度話を聞きに行くのも手だろう。

また、公式に発せられている情報は基本的に企業の”良い面”しか出てこない。そういう意味でも、社員に直接会って、企業の愚痴などを聞いておくことで、マイナスな面も知ることは大事だ。もちろん、その社員との関係性が浅い中で、企業のマイナス面を聞くのは失礼にあたるので注意しよう。

2−7.競合他社

応募企業を行う上で、実は競合他社について知ることも重要だ。

競合他社を調査し、その競合他社と比較して志望している企業がどのような点で優れているか、また、逆に劣っているかを知ることにより、自分が入社した時にどのような貢献をできるかがより具体的にイメージできるようになるはずだ。

3.企業研究で特にチェックすべき5つのポイント

企業に関する情報収集が十分にできたら、収集した情報の中から特に重要な点を抽出してみよう。

企業に関する情報は膨大にあるが、就活・転職に充てられる時間は限られている。企業に関する全ての情報を消化するのは現実的ではない。重要な情報とそうでない情報を取捨選択していかなければ、時間がいくらあっても足りないだろう。

そこで、収集した情報の中から、どのようなポイントを特に意識して情報を抽出していけばいいのかを以下で紹介したい。

3−1.理念

企業研究を行う際に、軽視されがちなのが企業の理念だ。だが、企業理念は軽視するべきではない。

理念には企業がどのような事業を行っているかなど、具体的な内容は書かれていない。だが、理念には「企業が最も大切していること」が書かれている。

企業の理念を理解することは、その企業が将来的にどのような方向に向かっていくのか、企業の行動規範・倫理規範を理解することに繋がるのだ。

また、多かれ少なかれ、企業で働いている社員は、その企業の理念に惹かれて入社しているはずだ。つまり、理念に触れることにより、擬似的にその企業の社風も感じることができる。

企業の理念は、コーポレートサイトや社長インタビューなどを通して理解することができるので、軽視せずにチェックするようにしよう。

3−2.サービス・ブランド

自身が志望する企業が展開するサービス・ブランドは当然あらかじめ調査しておくべきだ。

サービス・ブランドの強みや弱みを自分なりに分析して、自身がその企業に入社した場合に、どのような貢献ができるかをイメージできるようにしておこう。また、競合他社のサービス・ブランドも調査し、自身が志望する企業のサービス・ブランドと比較して、どのような点が優れているかなども把握しておくといいだろう。さらに、新サービス・ブランドの可能性まで模索することが理想だ。

企業に入社すれば、常に自社のサービス・ブランドを改善していく努力が必要になるし、新規事業のチャンスがあればチャレンジすることになるはずだ。入社する前から、具体的なイメージができていた方がいいことは明らかである。

3−3.売上高・従業員数

売上高・従業員数はその企業の規模や将来性を知る上で重要な情報となる。

売上に対して従業員数が多すぎないか、急成長による歪みが起こりえないかなどを判断できる材料となる。また、売上の推移を見ることにより、企業の将来性もはかることができる。ただ、あくまで数字それ自体に意味はないということを意識しよう。ちなみに、未上場企業の場合は、売上を公表していないことが多いので、その場合は確認できないことになる。

3−4.CSR活動

意外と見落としがちだが、CSR活動を把握しておくことも大切だ。

広報的な意味合いでCSR活動を行っている場合もあるが、何れにせよCSR活動は企業の利益には直接に結びつかない活動だ。だからこそ、その企業が社会に対してどのような方法で貢献しようとしているかを知る上で参考になるのだ。

3−5.研修制度

研修制度が充実していれば、スキルアップも期待できる。

しかしそれ以上に、研修制度の充実は、社員への投資を行う意志のあらわれである点が重要だ。研修制度が充実している企業は、人材の重要性を理解している企業ともいえる。

ただし、研修制度がないからといって、人を大切にしていないということにはつながらない。中小企業であれば、研修制度に予算を割くのも難しい場合があるので、そういった点も考慮した上で見ていこう。

4.企業研究を面接に活かす2つのポイント

企業研究を行い、自身が入りた企業が見つかったとしても、選考に通過できなければ入社はできない。

企業研究は企業の知識を暗記するために行うために行うわけではない。それだけでは、「企業オタク」で終わってしまう。企業研究を行うことにより、面接で適切なアピールができるようすることが重要だ。

そこで、以下では企業研究を面接で活かすためのポイントについて紹介したい。

4−1.入社後の自分を具体的にイメージしよう

企業研究を行うことにより、志望企業へ入社した後の自分についてイメージができるようになる。そのことにより、

  • 自分の経験・スキルをどのように志望企業で活かすことができるか
  • 志望企業の社風は自分に合っているか
  • 志望企業に入社することにより、どのような変革を与えられるか

といったことも自ずと見えてくるようになり、その志望企業に入社することが正しい選択であるかどうかを判断することができるようになる。

今の環境を変えて転職するのであれば、自分の実力を最大限発揮できる企業に入社したいところだ。企業研究を行うことにより、どの企業において自分の力を活かせるかがわかるはずである。

4−2.採用担当者が知りたいのは、入社してからあなたが何をするのかという点

企業の採用担当者が欲しがるのはどのような人材だろうか?それは、その人材が入社することにより、企業が良い方向に変わっていくような人材のはずだ。

企業の採用担当者は数多くの入社希望者と会っては、それぞれの話を聞いている。その中で、他の入社希望者と同じような志望理由を話す人材を、企業の採用担当者は欲しがるだろうか。もちろん、NOだ。

自分を採用すべき理由を企業の採用担当者に説明して、それに納得してもらわなければ、”欲しい”と感じてもらうことはない。では、どのように納得してもらうか?

それは、自分が入社すれば企業に変革を与えられる、ということを分かってもらうことだ。”変革”というと大げさではあるが、要は企業に好影響を及ぼすことを伝えなければいけない。しかし、当然根拠もなくそのような話をしても響かない。

そこで、企業研究が活きるのだ。企業研究によって、入社後の自分自身をイメージすることができれば、どのような貢献を企業に行うことができるかが説明できるようになるはずだ。そして、その内容はできる限り”具体的”であるべきだ。

“自分が入社すれば、サービスの◯◯の部分を改善できます”など、具体性があればあるほど、企業の採用担当者も、あなたの活躍をイメージできるようになり、採用したいと思うはずである。

特に社会人経験があった上で転職活動を行う場合は、企業の採用担当者もあなたを即戦力として計算したいはず。そう考えると、”入社後に何をするか?”は当然話しておくべき内容になるのだ。

5.まとめ

このように、転職活動において企業研究は必ず行うべきだ。

自己分析が自分自身を掘り下げて自分の強みを抽出する作業だとすれば、企業研究はその強みをどのように企業において活かすことができるかを探す作業となる。

また、あらかじめ企業のことを深く知っておけば、ミスマッチも防ぐことができ、効率的な転職活動ができるようになる。加えて、入社してから”こんなはずではなかった”なんて思うことも防げるのだ。

しかも、選考を通過するためのテクニカルな対策としても優秀となれば、企業研究をやらない手はない。

もし面接までに時間がないのであれば、私だったら他の対策を後回しにして、まずは企業研究から始める。それほどに、企業研究は重要なのだ。


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