資本金とは?資本金の基礎知識をおさえよう!


会社概要で”資本金”という言葉をよく目にすることがあるだろう。だが、資本金が何を指す言葉なのか理解している方は少ないのではないか。

そこで本記事では、資本金に関する基礎知識について説明したいと思う。

1.資本金とは

資本金とは、「会社の出資者が会社に対して払込又は給付をした財産の額」を指す。簡単に言えば、「会社がこれまでに出資者から受けた出資の累計額」ということになる。
※分かりやすく説明するために、噛み砕いています。

ここでポイントとなるのは、資本金というのがあくまで「出資者から受けた出資の累計額」だということである。以下に、例を挙げよう。

  • 2010年に会社が設立、資本金100万円からスタート
  • 2011年に1,000万円の出資を受ける
  • 2013年に3,000万円の出資を受ける

上記のような例では、2011年の出資を受けた時点で会社の資本金は「100万円+1,000万円=1,100万円」となり、2013年時点では「1,100万円+3,000万円=4,100万円」となる。
※上記例は出資額の全額を資本金として計上したケースである。詳しくは「1−1.資本準備金とは」で解説。

このように資本金は、出資を受ける度に過去の出資額と足しあわされ、積み上げ形式で増えていく。そして注意してほしいのは、資本金は積み上げられたまま金額が固定されるということだ。つまり、資本金は減らないのである。
※厳密に言えば、減資を行えば減る。詳しくは「4.資本金が減るケース」で解説する。

ただ、「資本金が減らない」という表現も誤解を招きやすい。現実には、出資を受けて資本金として計上されたお金自体は、事業の中で使用すれば減っていく。

だが思い出して欲しい。資本金というのは、「会社がこれまでに出資者から受けた出資の累計額」なのだ。出資を受けたお金を使用したとしても、「会社がこれまでに出資者から受けた出資の累計額」自体は変わらないことが分かるだろう。

資本金が「現実にお金として存在する」と考えてしまうと混乱をきたす。資本金はあくまで帳簿上に計上された金額と考えておけば理解しやすくなるだろう。

1−1.資本準備金とは

資本金は「会社がこれまでに出資者から受けた出資の累計額」と説明したが、ここでさらに一点注意が必要だ。それは資本金が、会社がこれまでに出資者から受けた出資の”総額”を表すとは限らないという点だ。

なぜなら出資者から出資を受ける際、出資額の全てを資本金として計上せずに、出資額の2分の1を超えない額を”資本準備金”として計上することが可能だからである。以下に例を挙げよう。

  • 2010年に会社設立、資本金200万円でスタート
  • 2012年に2,000万円の出資を受ける(内1,000万円を資本金、1,000万円を資本準備金として計上)
  • 2013年に1,000万円の出資を受ける(内600万円を資本金、400万円を資本準備金として計上)

上記のような例では、2012年時点で資本金は「200万+1,000万=1,200万円」が資本金となり、資本準備金が1,000万円となる。2013年時点では、「1,200万+600万=1,800万円」が資本金となり、資本準備金が「1,000+400=1,400万円」となる。

会社概要の資本金欄において、金額のとなりにカッコ書きで「資本準備金含む」と記載されているのを見かけることがあるだろう。その場合は、出資を受けた金額の全額を資本金に計上しておらず、資本準備金に計上している部分もあることを指す。

2.資本金は出資が行われると増える

資本金は会社が出資者から出資を受けた時に増える。会社が出資者から出資を受けるタイミングは大別すると2種類ある。以下で説明したいと思う。

2−1.設立時の出資

どの会社においても、必ず出資者から出資を受けなければいけないタイミングがある。それは、会社の設立時だ。

「出資者から出資を受ける」と聞くと、投資家からお金を集めなければいけないのか、と疑問に思う方も多い。だが、実はそんなことはない。

むしろ、多くの場合は会社の代表者や創業メンバーがお金を出し合って、事業を開始するにあたり必要な元手を資本金として会社に出資している。

代表者や創業メンバーが、自分の設立した会社にも関わらずお金を入れるのは不思議に思われるかもしれない。だが、会社は設立された時点で、代表者・創業メンバーとは別の主体だ。それであれば、会社用のお財布が必要になるのは当然だろう。

そのため、一人で起業して、資金も全て自己資金だとしても、会社と自分は別の主体と考えて、資本金を入れなければいけないのだ。

2−2.増資

資本金が増える2つ目のパターンは、設立後に出資者から出資を受けるパターンだ。このことを「増資」と呼ぶ。

事業を行っている際に、ある理由により一定のお金が必要なこともあるだろう。そのような時に、外部の投資家から出資を受けて増資を行うケースはよくみられる。

ちなみに、増資の際も設立時と同じく、代表者や創業メンバー等が出資を行うことができる。

3.最低資本金制度について

最低資本金制度とは、会社の設立に用意する必要がある資本金額を定めた制度だ。株式会社においては最低1,000万円・有限会社においては最低300万円が必要とされていた。
参考記事:有限会社ってどんな会社?

しかし、平成18年に施行された会社法により、最低資本金制度は撤廃され、現在は資本金1円から会社を設立することができるようになった。
※ただし、会社設立時に必要な費用が他にある。

以前は最低1,000万円の資金を自身で用意するか、外部の投資家等から集める必要があったが、現在はその必要がなく、誰でも簡単に会社が作れるようになっている。

4.資本金が減るケース

資本金が増えるケースについては上記で説明したが、資本金が減るケースはどのような場合だろうか。

それは、「減資」という手続きを行った場合だ。ちなみに”減る”というのは、実際のお金が減るわけではなく、資本金として計上していた分を帳簿上振り替えるというイメージを持ってもらいたい。

実際のお金が減るわけでもなく、帳簿上振り替えるメリットが思い浮かびにくいかもしれないが、これは配当を行うため・欠損補填を行うため・節税のためなど、実はちゃんとした理由がある。

減資は増資と比べて手続きが難しく、株主総会での特別決議や債権者保護手続きが必要となる。一応資本金が減るというケースがある、という点は覚えておこう。

5.資本金が多い会社程価値が高いのか

「資本金が多い会社=安定した会社」というイメージを持っている方は多い。だが、このイメージは間違っている。

資本金というのは、出資を多く受けていれば、それだけ多くなる。注目のベンチャー企業などで、まだほとんど利益を出していないにも関わらず、多額の出資を受けている企業を見たことはあるだろう。

つまり、資本金と企業の業績は連動していないのだ。資本金が少なくて業績が良い企業もあれば、その逆もしかりだ。

資本金は会社の収益性等とは全く関係がないので、資本金の多寡で会社の価値を計ることはできないことに注意しよう。

6.会社の資本金はどこで知ることができるのか

会社の資本金を知りたい場合は、以下2つの方法で調べることができる。

6−1.会社概要

コーポレートサイトなどで掲載されている会社概要に、会社の資本金を載せていることは多い。

だが、「資本金を含む」と表記して、純粋な資本金の額が分からないケースもある。また、あくまで会社が自ら載せているので、信憑性も定かではない(ちゃんとした会社なら嘘をつくということはまずないが)。

そのため、確実な情報を得たい場合は、以下の方法をおすすめする。

6−2.会社の登記簿謄本

会社の登記簿謄本には、会社の正確な資本金額が掲載されている。

登記簿謄本とは、法務局で取得できる書類である。そして、会社も増資を受けた際等は、法務局に申告をしなければいけないので、情報も正確だ。

取得には多少費用が必要だが、会社名と会社の本店所在地さえ分かれば取得はできる。

7.まとめ

以上、資本金の基礎知識について説明させてもらった。

資本金の性質を理解してもらえば、どのような視点で資本金を見ればいいか分かってもらえると思う。「資本金多い=いいこと」と漠然と考えていた方が多いと思うが、そのようなことはないのだ。

転職などで、会社の求人を読む時の役に立ててほしい。


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