ブランク(空白期間)があると本当に就職・転職は不利なのか?


1.ブランク期間は転職活動で不利になるのか?

ブランク期間(空白期間)とは、履歴書・職務経歴書に記せる内容のない期間を指す。一言で言うと、離職期間だ。

ブランク期間がある理由は人それぞれ。語学留学・資格勉強・家庭内の事情・病気・転職活動の長期化・就職活動をしなかった等、無数に挙げられる。しかし、職務経歴書に記せないという意味では、どのような理由であろうと、”ブランク=空白”と扱われてしまうのだ。

そこで気になるのが、転職活動においてブランク期間が不利に働くのかという点。ブランク期間が長期化している場合は、なおのこと不安になるだろう。そして、ブランク期間が転職活動に不利に作用することを恐れて転職を諦め、なおさらブランク期間が長引くという悪循環に陥るパターンもよく見られる。

結論から話すと、確かにブランク期間は転職活動において不利になる場合がある。ただし、その一方で前向きな理由を説明できれば有利になることも稀にある。

転職活動は自分が今持っている武器で戦うしかない。その武器が有利になるか不利になるかは、状況によって変わる。完璧な人間なんていないのだから、もし仮に一つの武器が不利に作用する可能性があるとしても、いちいち気にする必要はない。

そもそも、”ブランク期間”と言っても、あくまで職務経歴上のブランクである。その期間を目的を持って活動していたのであれば、自分自身にとっては”ブランク”にはならない。仮に、ダラダラと過ごしていたとしても、過去は変えられないのだから、事実を受け入れて開き直った気持ちで活動すればいい。実際、転職エージェントで働いてきた中で、一般的にマイナスと捉えられるようなブランク期間を過ごしてきた方でも転職に成功した例はいくらでも見てきた。

採用担当がブランク期間のどのような点を懸念しているか、そして、自分自身がブランク期間についてどのように説明すればいいのかを理解できれば、ブランク期間があっても恐れるに足らない。そこで、以下ではブランク期間がある場合の転職活動ポイントについて紹介したいと思う。

2.採用担当はブランク期間の何を懸念するか

「ブランク期間の間に何をしていたのか?」は面接の場において採用担当から必ず聞かれることになる質問だ。

この質問をプレッシャーに感じる人は多いと思う。しかし、採用担当は転職希望者を入社させるべきか否か、あらゆる材料から判断する必要がある。そうである以上、履歴書・職務経歴書から読み取れない部分について質問をするのは当たり前のことだ。

逆に、この質問をされているということは、企業があなたに興味を持っている証拠とも言える。そもそも面接に進んでいる時点で、企業は採用を検討しているのである。そういう意味で、前向きに捉えるべきだ。

さて、それでは採用担当はブランク期間のどのような点を気にするか、具体的に説明したい。

2−1.職務能力

ブランク期間によって最も懸念されるのは職務能力である。特に動きの早い業界だと、最新のスキル・知識に追いつけているかどうかは確認される。それもそのはずで、企業が中途採用を行う際に、少なからず転職希望者が即戦力であることを期待する。そのため、ブランク期間によって得られた経験・スキルが、仕事において役に立つという点をアピールする必要が生じる。

ただ、経験・スキルが特になくとも悲観することはない。企業にとって即戦力であった方が望ましいが、同時に人材の成長性についても企業は注目する。真面目に仕事に取り組む姿勢や、足りない知識について勉強していく姿勢を見せれば、そのポテンシャルを評価してくれるはずだ。特に、若ければ若いほど、ポテンシャルが重要視される。

2−2.モチベーション

仕事に対するモチベーションも、採用担当が懸念するポイントの一つである。仕事をすることは少なからずストレスの生じる行為だ。そのため、ブランク期間が”働くことからの逃避”であるか否かを採用担当は確認する。

“仕事が大好き”という方はそれほど多くないと思うが、少なくとも”働きたくない”と考えている人間を採用したい企業は存在しない。

仕事を通してどのように成長したいのか、応募している企業に入社してどのようなことを実現したいのか、熱意を持って話せることが重要となる。

3.ケース別ブランク理由

十人いれば十通りのブランク理由がある。全てのブランク理由を網羅することはできないが、以下に比較的よく見られる理由を挙げていく。

納得感のあるブランク理由を説明することができれば、選考においてもブランク期間の存在を気にする必要がなくなる。むしろ、ブランク期間をアピールの材料として利用することができるようになれば、面接をかなり有利に進められるようになるだろう。

3−1.資格勉強

弁護士・公認会計士・司法書士・税理士等の資格勉強は、ブランク期間を説明する上で納得感のある理由の一つと言えるだろう。志望企業において必要なスキルとリンクしている資格であれば、その経験はプラスに評価される可能性もある。

ただし、ブランク期間が長ければ長いほど、目指していた資格の難易度が伴っていないと、勉強をサボっていたと思われてしまうのには注意。

なお、資格勉強におけるブランクについて、採用担当が懸念するのは主に以下の点だ。

  • 社会人としての職務能力
  • 資格の取得はできたのか否か

資格の勉強によって知識を身につけたとしても、実務能力が乏しいと即戦力としては評価されない。資格勉強によって身に付けた知識、そして資格勉強を継続できる学習意欲を示し、短期間でブランクを埋めるポテンシャルを秘めていることを見せることが重要になるだろう。

社会人としての職務能力とはいっても、専門性の高い職種・業界でない限りは、評価されるのはコミュニケーション能力や柔軟性といった部分である。最低限コミュニケーション能力と柔軟性を示すことができれば、それほど不利になることもないはずだ。

また、最終的に資格取得が達成できたのか否かも重要な点となる。資格取得がどれくらい大変であるか採用担当にはわからない。そのため、ブランク期間がありながらも、その目的を達成できなかったとなると、採用担当の納得感もいまいちとなってしまう。特に、諦めやすいというイメージを与えるのは避けたいところ。資格取得を本気で目指していたが、区切りをつけて次に進むという前向きな姿勢を見せることが重要である。

事実、例え最終的に資格を取得できなかったとしても、資格取得を目指していた経験はあなたにとって決して無駄ではないはずだ。

3−2.公務員試験の勉強

公務員試験の勉強によるブランクも、ブランク期間を説明する上である程度の納得感がある理由だと言える。だが、やはり資格取得と同じく、勉強をサボっていたと思われる可能性はある。また、資格取得と違って、特定分野に絞っての学習ではないため、専門性のアピールがしにくいという点も懸念だ。実際には、国家公務員試験などは相当に難しく、専門的な勉強もするのだが、試験内容を知らない者にその点を理解させるのは決して簡単ではない。ただ、公務員試験から民間への就職に方向転換する例は多いので、採用担当者も慣れている面はあり、大きな障害とはならない。

なお、公務員試験の勉強によるブランク期間において、採用担当が気にするのは以下の点である。

  • 社会人としての職務能力
  • なぜ公務員ではなく民間にシフトしたのか

社会人としての職務能力については、資格取得によるブランク期間と同様だ。ただ、資格取得と違って、公務員試験の難易度などはあまり一般的に知られていないため、勉強の大変さを理解してもらうことには苦戦する可能性がある。それでも、上手く説明することができれば、学習意欲は評価してもらえるはずだ。

また、聞かれる可能性が高いのは公務員から民間に転換した理由だ。だが、公務員から民間に転換するのは、就職浪人もしくは卒業後の既卒である。共通するのは社会人経験がない中という点であり、採用担当もそれほど大それた理由は求めない。公務員を真剣に目指していたものの、上手くいかず、このまま時間が過ぎていってしまうことに危機感を感じ、区切りをつけたと説明すれば問題ないだろう。しっかりと気持ちを切り替えており、民間企業で働くことに対して前向きである点も伝えよう。

3−3.語学留学

語学留学は目的がはっきりとしており、採用担当に納得感を与えるのも比較的苦労しないだろう。ただ、採用担当が気にするのは以下の点となる。

  • 社会人としての職務能力
  • 身に付けた語学力
  • 留学した国ならではの経験

語学留学の期間にもよるが、1年程度の留学であれば社会人としての職務能力をそれほど問われることもない。ただし、長期に渡る留学の場合は、それだけ社会人としてのキャッチアップが必要となるので、語学留学がそのブランクを埋めるもしくは上回る経験であることは説明した方がいい。

また、どの言語を身に付けて、語学力をどれほど向上させたかは当然伝えるべきだ。語学力の向上については、TOEICスコアなど、目に見えた成果を残せればなおいいだろう。

さらに、異国の地で生活をすることならではの経験についてもアピールしたいところだ。日本語が通じない中で生活するとなると、その障害を乗り越えるために様々な工夫をする必要があったはずだ。語学能力が高い人材は少ないとはいえ、他と差をつけるには、留学先で得た経験とその経験により自分がどのように成長したかを説明するべきだ。

3−4.家庭の事情(家族の介護など)

家族の介護など家庭の事情によるブランク期間は、自分自身ではコントロールができない。そのため、採用担当も十分に理解してくれるはずだ。また、責任感も評価されるでしょう。ただし、職務能力についてはやはり懸念となる。

家族の介護をしている間も、自身のスキルを向上させるための活動を行っていた、という意欲を見せることが重要だ。そのことにより、逆風の中でも自身を磨くことを怠らなかったとして、責任感と共に向上心も評価されるはずである。

3−5.病気

病気も自分自身でコントロールはできない。ただ、それでも病気の再発を採用担当は懸念する。

そのため、どのような病気によってブランク期間が生じていたのか、現在の体調はどうなのかということを伝える必要がある。病気によって仕方なくブランク期間が生じていたが、病気の間もスキルを身につける活動を行っており、今後も熱心に仕事に取り組みたいという意欲を見せることが重要になるだろう。

3−6.転職活動の長期化

退職後に転職活動を行ったが、中々転職先が決まらず転職活動が長期化しているという方もいるだろう。

この場合は、”自分の求めている転職先が見つからないのか”・”選考に通らず転職先が決まらないのか”によって、採用担当への説明の仕方が変わる。

“自分の求めている転職先が見つからない”という場合、もし実力が伴っているのであれば特に問題はないが、そうでないと単に理想が高すぎると思われてしまう。自身の実力を客観的に評価して、そもそもの転職活動方針を見直す必要が生じる可能性もある。

“選考に通らず転職先が決まらない”場合は、その現状を素直に認めて、それでも自分自身は働くモチベーションが強いことを伝えましょう。また、焦りのあまり悲壮感を漂わせないように注意したほうがいい。あくまで前向きな姿勢は崩さないべきだ。

3−7.フリーター

ブランク期間があり、その間フリーターであった場合については、以下の点を採用担当は懸念します。

  • 社会人としての常識
  • 職務能力
  • 正社員として就職しなかった理由

社会人としての常識は、現場で自然と身につくものなので正直大したものではないのだが、それでもなぜかそこそこに評価されてしまう点でもある。理想を言えば、そんな評価が気にならないくらいの、個性やスキルを見せつけたいところだ。職務能力についても、懸念される点なので、学習意欲やバイタリティーを見せ、ポテンシャルを示そう。

正社員として就職しなかった理由については、”目的を持って就職をしなかった”・”特に理由はないが就職をしなかった”という2パターンがあると思る。

目的を持っていた場合は、その目的について話すべきだ。特に理由もなく就職しなかったのであれば、就職をしたいと思い立った背景と、今後仕事に対して熱意を持って取り組もうという前向きな姿勢を見せることが重要である。

なお、フリーター期間は長期化すればするほど正社員への就職・転職が難しくなるので、正社員になる意志が少しでもあるのであれば、早めに切り替えることをおすすめしたい。フリーターからの就職・転職は、年齢が若ければ、世間一般に思われているほどは難しくない。中小企業の多くは若手が不足しており、経歴よりもポテンシャルで採用を行っている。景気がいいときはなおのことで、若手の採用には各社力を入れるのだ。

3−8.フリーランス

ブランク期間とはまた違うが、フリーランスから転職活動をするケースも多々あるので紹介したい。フリーランスにおいて懸念されるのは以下の点だろう。

  • 組織人として働くことができるかどうか
  • 決まった時間帯における職務遂行に馴染めるかどうか

組織に属してこなかったことで、チームプレイができるかどうかは気にされる。フリーランスだとしても、他の人と関わって仕事をする経験はあったはずなので、その経験を伝えるといいだろう。

また、決まった時間に出勤することに馴染めるかどうかについては、「できる」と言い切れば大した問題にはならないはずだ。実際に馴染めなかったとしても、できないことは絶対にないはずだ。

3−9.起業

このケースもブランク期間とは少し異なるが、起業からの転職活動についても紹介したい。起業していた場合に懸念されるのは以下の点だ。

  • 人の下で働くことができるか

今までは自分が中心になって仕事をしていたのを、人の下で働くことに抵抗がでるのではないかと気にされるだろう。あまりプライドを高く見せずに、謙虚に「できる」と言えばこのケースも特に問題は生じないはずだ。

4.前向きな姿勢を見せることが大事

ブランク期間があった場合には、そのブランク期間について自分自身で肯定的に捉えて、あくまで前向きな姿勢を見せていくことが重要となる。自分自身でブランク期間を肯定的に捉えられないと、その自信のなさが採用担当に伝わってしまう。ブランク期間は飛躍のための下準備というくらいに考えて、ブランク期間があったからこそ、自分は成長した・成長できるということを見せつけよう。

また、中途採用は即戦力性も求められるが、年齢が若ければポテンシャル重視になる。なぜなら、若ければまだ周囲との差があまり開いていないので、ポテンシャルさえあればすぐに追いつけるからだ。だからこそ、意欲を見せるのが重要となる。

5.ブランク期間を埋めるのはそんなに難しいことではない

また、ブランク期間をそれほど深刻に考える必要自体ない。

専門性が極度に高い仕事であれば、確かにブランク期間は大きなハンデとなり、周りとの差を埋めることは簡単ではない。しかし、世の中のサラリーマンの大半は、特別な職務能力を持っているわけではない。ブランク期間によって社会人として埋められない程の差が生まれることはまずない。

ブランク期間がある場合に最悪なのは、自信を失ってしまい、恐れによって転職を回避してしまうことだ。ブランク期間が転職活動で不利になる可能性は否定できないが、実現場の職務において大きく足枷になることはそれほどない。「ブランク期間がある自分に務まるだろうか・・・・」と考えるほどの差はないと言い切れる。もちろん、同世代に圧倒的な実績を出している人間はいるだろうが、そのような人材は極一部だ。上を見ればキリがないので、そこは気にすべきではない。

ブランク期間があったとしても、そのブランク期間を肯定して、面接において自信を持ってブランク期間の理由を述べればいいのだ。ブランク期間によって転職活動で苦戦している方は、過度に自身のブランク期間を黒歴史のように扱っている傾向にある。

あまり自信過剰になるのも考え物だが、かといって必要以上に自分を卑下するようなことはないように、堂々と転職活動に臨んでほしい。

ブランク期間による、周囲との社会人経験の差は、一度就職・転職さえしてしまえば、その後の頑張り次第ですぐに埋まる。そして、一度埋まってしまえば、もうブランク期間を気にする必要もなくなる。そのため、その後の転職もしやすくなる。そういう意味では、ブランク期間がある場合は、さっさと就職・転職をしてしまった方がいい。
参考記事:既卒者の就職におすすめの転職エージェント


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